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バイクを手放した時の思い出

バイクを手放した時の思い出

唐突だがおれは結婚していて、娘もいる。さて、ライダーにとって結婚というのはバイクライフの分岐点の一つだろう。

結婚してもバイクに乗り続けるのか、それともバイクを降りるのか?おれは後者を選んだ。

バイクを手放したワケ

実のところ、おれは母や妻からバイクに乗るのを反対されたクチだ。妻からはあの手この手で説得され、ときに「現実的にこれからも乗り続けられる根拠について説明してほしい」というかなり辛辣なコメントも貰ったが、根っこのところは「あなたが事故に遭わないか心配だ」という気持ちがこもっていることは分かった。

バイクが好きだった、でもバイクに乗らなくてもバイク好きをやめることにはならないんじゃねーの?と思い至った。

しかし、いきなり愛車を売るほどの覚悟は決められなかった。腹が決まった瞬間は、妻の妊娠中だ。

「子どもができてから」バイクを売ろうと考えたが……寝ぼけてんのか?妻は妊娠していて、すでに子どもはいるじゃないか!

一度こう思ってしまうと、妻と子どもを置いて休日に遠乗りに興じる…という気分には到底なれなかった。

もう腹をくくってネットで調べ、査定も買取もスムーズそうなバイクワン(https://www.bikeone.jp/)に売った。善は急げだ。ちょっとカスタムしていてノーマルパーツもすでになく、買取価格にはそう期待していなかったが、カスタム車を扱っていてサクッと査定できる業者を見つけたのはラッキーだった。

娘ができてからはなおさら、降りてよかったと個人的には思う。赤ちゃんと妻を置いて休日に遠乗りするなんて、父親の行動として褒められたものではないだろうし。子どもを育てると決めた人間のやることにしては無責任だろう。

勘違いしてほしくないのは、おれは反対されてしぶしぶバイクを降りた……なんて微塵も思っていない。おれは自らの意思でバイクから降りようと思ったのだ。

“絶対に降りるべき”とは思わない

バイクを降ろされるというか、「家族を大事にしないと、いずれ家族から大事にされなくなる」みたいな危機感のほうが大きかった。情けない…というより人間と接するうえでごく当たり前の話か。

少なくともおれにとって「バイクを楽しむ方法」は、バイクに乗るだけではなかった。それに、おれにはバイク以外にも漫画とかキャンプとか釣りとか、他に割と趣味があったので決断できたという側面もある。

とはいっても、バイク一筋で貫いてきた人にとっては、いきなりバイクを降りることも難しいんじゃないかな。

でも、それでいいと思う。乗りたければ乗り続ければいいし、降りたければ降りればいい。ライダーとしての自分に固執すると家族をないがしろにしやすい、ってのが問題なんじゃないかな。そこをクリアすりゃいいんだ。何も難しく考える必要はないんじゃないかと思う。