風を抜け!

風を抜け!のあらすじ

『風を抜け!』はモトクロスを愛したケイこと一文字慧が主人公の物語です。
ケイは中学生のころから草レースに参加しては優勝するような天才少年で、なんと高校にはいかずバイク屋で仕事をしながらもレース活動を続けます。
そんな中で全日本チャンプの風祭和人に出会い憧れ、そして絶対勝ちたいと思う存在になっていきます。
しかし、レース中に転倒した風祭は上から降ってきたバイクの下敷きになり死亡してしまいます。

風祭が死んだことで腹違いの妹であるジュンは自暴自棄になり車で後追い自殺をしようとするのですが、ケイはその自殺を身体とバイクテクニックをもって止めるのです。
元々ジュンは風祭の依頼でケイの専属メカニックだったのですが、この一件もありより信頼する関係に発展します。
優秀なメカニックを伴ったケイは数々のレースで実績を残しスーパークロスへの出場権を確保するのですが、がむしゃらに突き進んだ結果身体はボロボロになり脊髄まで損傷してしまうのです。
ここまでボロボロになってしまったのに、ケイはそれでも世界最速選手達に立ち向かい続けるモトクロスを舞台にした物語となっています。

風を抜け!の魅力について

この漫画は1986年から1988年まで『週刊少年サンデー』で連載していて、1988年にはOVA化もされています。
昭和から平成にかけてバイクが登場する作品は非常にたくさんあるのですが、基本的にはサーキット主体の作品や不良達のアイテムとしての登場がほとんどであり、モトクロスを主体にした漫画はほとんどないのです。

最大の魅力は他の漫画ではなかなか取り扱うことがないモトクロスに主眼を置いた作品であると言うことでしょう。
モトクロスは人工的に作られたダートを走る競技なのですが、選手同士の接触もかなり激しく転倒や怪我が当たり前のスポーツです。
そういった激しい接触やモトクロス特有のジャンプも多数ありモトクロスが好きという人達も納得できる表現が多数あるのも魅力でしょう。

風を抜け!で登場するバイクは?

風を抜け!はモトクロスを主体としたバイク漫画なのですが、最初は公道を走る描写もあります。
物語初期からの主人公のケイの愛車は『CR125』で、公道を走っていたケイは公道仕様に改造していました。

有名なモトクロスは少ない

様々な不良漫画と一緒に色んなバイクが登場するというケースは非常に多いのですが、モトクロスが主体となっている漫画はとっても少ないです。
不良漫画が全盛期だった1980年から2000年までの間でここまで濃密なモトクロスを描いた漫画はそれだけで希少であるということがよくわかります。
また、後半のスーパークロス編で出てくるライダーが当時の実在する選手だったので、昔ながらのスーパークロスファンの人にはたまらない作品と言えるでしょう。