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グッバイエバーグリーン

「グッバイエバーグリーン」のあらすじ

グッバイエバーグリーンはバイク専門誌「RIDE」で不定期連載されていた名作で、本誌の休刊後はファンからの声援を受けて単行本化された話題の人気漫画だ。
主人公は女子高生の「翼」、亡き祖父が残した古いYAMAHAに乗って祖父の工房「エバーグリーン工房」を続けるために免許を取得する。

エバーグリーン工房では、客たちの大事な品々を祖父が修理して直接自分の手で届けに行っていた。
この仕事を翼は引き継ぎ、バイクに乗って人々のもとへ出向いていくというストーリーになっている。
免許を取得する過程やバイクに乗ることになって色々な人に出会い助けられ、彼女自身がバイクの楽しさを見出しながら心情的にも大きく成長していく物語だ。

「グッバイエバーグリーン」の魅力

この作品の魅力は、車や電車では味わえないバイクのツーリングが持つ独特な楽しさを教えてくれる点にある。
旅行するにしても荷物は十分に積めない、天気の悪い日は不安に煽られるなど、バイクは必ずしも万能な乗り物ではない。
しかし、そんなバイクであっても不便さの中に感じる魅力や、バイクのある日常のささやかな幸せといった面を上手な心理描写で巧みに描いている。
移動手段として万能でなくても、バイクに乗りたい、触れ合いたいと思わせてくれる面白い漫画である。

バイクの魅力をただ読者に伝えるだけではなく、主人公がバイクに乗って出会う人々との豊かな人間模様も魅力的に描かれているため、興味はあるけどバイクには乗ったことがないという人にとってもおすすめできる一作だ。
バイク好きにとっては時折出てくるバイクネタに引き込まれて、バイクに詳しくない人は人間模様や価値観を上手に描いたキャラクター達に惹かれてこの作品を楽しめるだろう。

「グッバイエバーグリーン」に登場するバイク

作中には実在の名車が数々登場する。
最初に主人公の翼が乗ることになるバイクが、祖父の形見でもある「YAMAHA YDS-1」だ。
1960年に発売されたこのバイクはロードレース用として注目されているが、ツーリングマシンとしても優秀で多くの人が実際に愛用していた。

その他にも「YAMAHA RZ250」や「YAMAHA SDR200」といったヤマハ製のバイクをはじめ、カワサキ製の「KAWASAKI GPZ1000RX」なども登場している。
旧車が数多く出ている作品であるため、旧車をこよなく愛するファンの人たちからすればたまらない世界観だろう。
バイクそのものというよりも人間ドラマに重きを置いている作品ではあるが、主人公の翼を中心にバイクに乗る魅力の十分に語られている。
万能ではなくても何故だか乗りたくなる、そんなバイクの魅力を実在する車種を織り交ぜながら上手に伝えている作品のため、読めば自然とバイクを好きになるだろう。