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ケッチンを語る

ケッチンのあらすじ

『ケッチン』は、週刊ヤングマガジンで2009年から2013年まで連載されていたきらたかし作のバイク漫画です。
単行本は全15巻が講談社より出ています。

『ケッチン』の物語は、主人公の田口勇夫(ユウ)が、高校の入学式に自転車で登校中、バイクと衝突事故を起こすところから始まります。
事故はそれほどひどくなく、幸いユウのケガも軽かったのですが、驚いたのは事故を起こした相手がこれから通うことになる高校の先輩だったことです。
その先輩は相澤といって、校則では禁止されているバイクに乗るような不良でした。
ユウとしては事故に巻き込まれ、軽いながらもケガまでさせられたわけですが、それでもなぜか爆音を轟かせてバイクに乗る相澤の姿に魅了されてしまいます。

そんなユウとバイクの出会いをきっかけに、ユウの幼なじみのマコとシュウ、クラスメイトのバイク好きな丸山美由希などとの関係にも変化が生まれていきます。
中学卒業後、バラバラの進路を歩むユウら幼なじみの3人を中心に、埼玉を舞台に青春の物語が繰り広げられるというあらすじです。

ケッチンの魅力

主人公のユウは、頭は悪くないもののこれといった趣味もなく、気弱でいまいちパッとしない性格の持ち主でした。
幼なじみの2人とはいつも一緒だったけれど、中学卒業後は2人とは離ればなれの生活を送ります。
そんなパッとしないと思われていたユウの日常が、バイクとの出会いで大きく変わるのです。
それがこの漫画の第一の魅力でしょう。

バイクに乗ればマコと2人乗りもできるし、クラスメイトの美由希ともツーリングができるかもしれないなどとユウの妄想が広がりますが、これも青春時代にはよくある妄想です。
妄想だけれど楽しくて、あのころの甘酸っぱい記憶が蘇るような気になります。

また、幼なじみの3人がそれぞれ別の進路を歩んでいる姿も魅力です。
だんだんバイクに魅了されていくユウと、アルバイトを頑張るマコ、文句ばかりのシュウと三者三様の生活ですが、物語を読み進めるうちにこの3人の関係がどのように変わっていくのか気になります。
バイク漫画としてだけでなく、青春漫画としても秀逸です。

ケッチンに登場するバイク

主人公のユウが、壊れていたのをバイク屋から譲り受け、自分で直して乗るのがホンダの「CB50」です。
CBシリーズでは最小の排気量を持つエントリー向けモデルとして知られています。

ユウが最初に衝突事故を起こした相手、相澤が乗っていたのがヤマハの「SR400」です。
SRシリーズの1号としても今も人気のモデルで、カスタム用のベースとしても人気があります。
漫画のなかでは、のちに相澤から譲り受けてユウが乗ることになります。