1. >
  2. >
  3. 恋ヶ窪ワークス

恋ヶ窪ワークス

「恋ヶ窪ワークス」のあらすじ

恋ヶ窪ワークスは、バイクという乗りものが日常にある生活と登場人物の青春を描いた作品だ。
主人公である18歳の少女「あやめ」は、親友であるバイク仲間のしのぶをバイク事故で亡くしてしまう。
葬儀の日、自身や周りのすべてが嫌になりショックで屋上から飛び降りようとした彼女の前に「バイクの妖精」を名乗るヒゲの男が現れた。
この男は、オンボロのバイク屋「恋ヶ窪ワークス」で働く、通称ボスと呼ばれる男だった。

ボスの話で落ち着いたあやめは、自殺を断念してボスのいる恋ヶ窪ワークスで働くことになる。
この恋ヶ窪ワークスでバイトをするうちに、あやめの心情にも徐々に変化が訪れてくるというのがあらすじだ。

「恋ヶ窪ワークス」の魅力

バイク屋を中心に物語が動いていくため、当然バイクに関する話題が多数登場してくるのがバイク好きにとっては非常に面白い部分でもある。
しかしこの作品はバイクだけではなく、主人公のあやめがさまざまな人と出会って成長していく青春漫画としても完成度が高いのが魅力的な部分だ。
親友の死にショックを受けて自身も自殺を考えていた少女が、恋ヶ窪ワークスを通して人やバイク、そして世の中に深く関わっていき自身の気持ちを素直に表現できるようになるまで成長していく。
その過程をさまざまな人間模様やバイクの魅力に触れていきながら読者は楽しめるため、バイクについてそこまで詳しくない人であっても心温まるストーリーを存分に楽しめる一作だ。

もちろん、主人公がバイク乗りなこと、舞台がバイク屋であることから多数のバイクやバイクに関する知識も登場する。
バイクに詳しくない人がこの漫画を読んでバイクに詳しくなり、自分もバイクに乗ってみたいと思えるようになるだろう。

登場人物も、元女子高生から中年の男と年齢の幅も広い。
だからこそ、この漫画を読む自分の年齢が変わるにつれて読後に抱く感想が変わるかもしれないのも魅力のひとつだ。
バイクに乗る楽しさと、バイクを取り巻く人間関係を上手にバランスよく描いた漫画であり、誰が読んでも楽しめる作品になっている。

「恋ヶ窪ワークス」に登場するバイク

恋ヶ窪ワークスはバイクを扱う漫画であるため当然たくさんのバイクが出てくるが、どれも実在するバイクをモデルにしている。
たとえば、ヨーロッパの2輪耐久レースで広く使われてきた「Honda RS1000」や、ヨーロッパで製造された逆輸入車である「Honda CB900F」など古き良きバイクが多数登場する。
ホンダのバイクだけでなく、カワサキの「GPZ1000RX」なども登場しており、当時画期的なデザインで注目された懐かしのバイクも目白押しだ。
上下2巻の漫画となっているが、下巻には作中で登場したバイクの解説ページもあるため、これを読んでバイクについて勉強するのもよいだろう。